神前式 |
1900年に皇室御婚令が発布され、皇太子(後の大正天皇)の御婚儀が初めて宮中賢所大前で行われた。
それを受けて国民の間に同じような神前での結婚式を挙げたいという気運が高まり
東京の神宮奉賛会(現在の東京大神宮)が皇室の婚儀を参考に民間での神前の結婚式を創設し
翌明治34年3月3日に模擬結婚式を開催し、以降、改良や普及活動を行った。
今日「神前式」として行われているものは、この神宮奉賛会が創設したものが元になっている。
具体的な式順としては
巫女の先導で新郎新婦、媒酌人、新郎両親、新婦両親、新郎親族、新婦親族の順に入場し、最後に斎主が入場。
典儀と呼ばれる司会進行役(巫女が行う場合もある)が式の始まりを宣言、斎主の拝礼に合わせ一堂が起立して神前に礼。
祓を行う為、斎主が幣を用いて穢れを祓う。
一堂は起立したまま軽く頭を下げ、これを受ける。
斎主が神前で二人の結婚をその神社に鎮座する神と氏神、
そして祖先神に報告する祝詞を奏上し、神の加護を願う。
一堂は起立して頭を下げる。
三々九度の杯を交わす。
一の杯においては、まず新郎が杯を受け、次に新婦、また新郎となる。
二の杯では、まず新婦、次に新郎、また新婦。
三の杯は一の杯に同じ。
一二三の三度の杯を三回ずつ受けるので3?3=9ということで三々九度が成立する。
新郎新婦が神前に進み出て誓いの言葉を読み上げる。
新郎が本文を読み、自分の名前の部分は新郎・新婦がそろって読む。
玉串を神前に捧げ「二拝二柏手一拝」の順で拝礼し、
席に下がるときはお互いに背を向けないように内回りで体の向きを変える。
これは神に対してなるべく自分のお尻を向けない為である。
新郎新婦に続いて媒酌人、親族代表が玉串を捧げる。
両家が親族となった誓いを交わす。両家の親族、新郎新婦、媒酌人が杯を戴く。
斎主が式を無事終わらせたことを神に報告し、一拝。
一堂は起立して拝礼。
その後斎主がお祝いの挨拶をし、一堂で拝礼。
斎主退場の後、新郎新婦、媒酌人、親族の順に退場。 |
仏前式 |
仏に結婚を誓う様式。
1892年に浄土真宗本願寺派の藤井宣正が東京白蓮社会堂に挙げた結婚式が最初といわれている。
菩提寺の本堂にて行なう場合が多いが、本尊を安置して公民館や、家庭でも挙式は可能である。
具体的な式順は宗派によって多少の違いがあるが、住職(司婚者)と参列者一同が、
本尊に結婚を奉告し、住職から終生仏教徒として守るべき事柄について諭しを受け、記念の念珠を拝受、
互いに敬愛を誓いあう誓紙に署名した後、三三九度の杯を交わすのが大筋である。
ほぼ仏教関係者に限られており、一般的にはほとんど行われていない。 |
教会
(キリスト教会) |
キリスト教徒の結婚式を模した結婚式である。
現在の日本では、キリスト教徒は1%程度であるが、信仰とは無関係に、キリスト教徒を模した挙式を望む人は多い。
一般的な進行としては、牧師(あるいは牧師の衣装を着た人)が司式し、主に先に新郎が入場して講壇の前で待つ。
ウェディングドレスを身にまとった新婦がエスコートする者(通常は実父)と共に入場。
中央通路を進み、エスコートする者が新郎に新婦を引き渡す。
以下順序等の違いはあるが、賛美歌(聖歌)、聖書の朗読、誓いの言葉、それに対する祝福、指輪の交換などが行われる。
また、新郎新婦が建物から退場する際に、友人・親族等によって
ブーケ・トス、ライスシャワー、フラワーシャワー等が行われることもある。 |
人前式
(レストランウェディング
など) |
教会や神前での結婚式のように神仏に結婚を誓うのではなく、
両親やその他の親族、親しい友人などの前で結婚を誓うのが現在の人前式(じんぜんしき)と呼ばれる挙式スタイルである。
神前式(しんぜんしき)と混同しないよう、人前式(ひとまえしき)と呼称する場合もある。
ホテルや結婚式場などで対応している場所も多い。
また、他宗派での挙式を禁じている宗教信者(創価学会員など)による人前式もみられる。
挙式の進行はおおむねキリスト教式を踏襲するが(入場方法・ウェディングドレス・指輪交換・宣誓等)
その他は自由であり、立会人による結婚の承認が行われるのが特徴である。
承認のしるしとして、立会人が拍手をしたり、鈴を鳴らしたり、いろいろなアイデアで独創的な挙式が行われている。 |